最終選考作品講評

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【入賞】シナトラにさよならを (著:岡田朔) 企業の中の、企業が隠蔽した設計ミスだったり製造工程のミスを暴いていくという話を書きたかったという気持ちはよく伝わる。 ただ、登場人物の関係性が微妙に噛み合っていなくて、わかり辛い。 動機であったり、放火に至る手順であったりのツメが甘く感じるので、もう少し人間同士の関係をしっかり書いた方が良い。 あと、事故の元になったエンジン設計のミスを書くくだりでは、エンジン設計にミスがあった、というだけではなく どんなミスがあったか、ミスを誘発した理由は何か、例えばコストカットの為にエンジンの素材を落とした、など もう少し書き込みがあれば、もっと企業を告発する面白味が出る。 基本設計にミスがある場合、同じ事故が頻発する可能性が高いのに、この小説の中では一件しか扱われていない所もリアリティが足りない。
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