第3回ノベリスタ大賞

最終選考作品講評

【入賞】センセイ依存　（著：岡田吏生）

謎の歯科医師と元患者の25歳の女の子の話。
女の子のキャラクターがハッキリしていて面白い。
冒頭、主人公の女の子は合コンで知り合った男とホテルへ行き、歯科医はまた別の女を連れてそのホテルへ入っていき、
そこで出会ってしまうというこの始まり方はミステリアスでとても良かった。

ストーリーの中に歯科治療の場面があるが、それもなかなか面白い。
ただ、その後の展開がややぬるく、もうちょっと何かを起こした方が良い。
ヒロインの女の子の日常生活や、会社でどう働いているかなどよりも、もっともっと先生と女の子に焦点をきちんと当ててもっとおかしな展開にして欲しい。
掴みが良かったぶん、緊張感の無い部分が続くのは残念。