第1章~コビトとの出逢い~

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私の中には『コビト』がいる。名前は、ちま。 私はうまく話せない。 人前で話すことが苦手で、言葉がうまくでてこない。 ちまは、そんな私をいつも見ている。そして、「頑張れ」と言う。  私は授業であてられるのがすごく怖い。いつも、「ダメだ。」とネガティブになっている私に向かってちまは、「やってみなきゃわからないでしょ。」と前向きな言葉をくれる。 ?逃げてはいけない。 言葉がうまくでてこないとき、私の周りはすべて敵になったような気になる。誰もわかってはくれないという先入観。 ちまは、言葉をみつけ、私に一生懸命伝える。喉から声が出るように、とパーツを送り込むポンプの役割。それが言葉になったとき、相手に届いたとき、飛び上がるほど嬉しかった。また1つ成長したと思えた。  授業とは裏腹に部活では、よく喋る。ポンプは必要ないみたい。 日々、当たり前のように操っている言葉たち。 口を開くと当然のように飛び出す言葉たち。 その自由が私にはちょっと足りない。ほんのちょっと。 ちまはそんな私を助けてくれる。応援してくれる。 コミュニケーションという大きな壁。 難しいかもしれないけど、この子とならいけそうだ。
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