第五章 ~ 悪魔の優しさ ~

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ーーー確かに。 違う、かもしれないし 違わない、かもしれない。 カヨが暁臣に捨て身で ぶつかる事だって 無いとは言い切れない。 いくら兄貴でも そこの部分まで 理解してる訳じゃない。 カヨの気持ちは分かる。 暁臣の言ってる意味も 分からない訳じゃない。 黙り込んだオレに 暁臣は小さく息を吐いて… 「俺の言葉だけで 逃げ帰るくらい お前の妹は純粋だよ。 それは本人にとっても救いだ。」 そう吐き出した暁臣に オレは伏せた顔を上げて。 「…あんな言い方されりゃ 期待の欠片も残らねーだろ。」 暁臣はボソッと呟いて また溜息を吐いた。 ・
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