第七章 ~ 妹の声 ~

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その年、オレが32歳になる 7月の誕生日を控えた ーーー6月。 土砂降りの雨。 「あ?何だって? 雨の音で聞こえねーよ! 今、外なんだけどー!!」 オレは変わらず 仕事に励む日々。 たまの日曜日の休日を 梅雨の雨の中で 携帯を耳に当てながら 歩いていた。 《だから、カヨがね。 桃が食べたい、とか 言ってんのよー。 外は天気悪いじゃない? あんた、時間あったら 桃買ってから寄ってきなさい。》 実家のお袋からの 結構、人使いの荒い注文。 オレは煙草を買いに ちょっくら外に出たトコロ。 ・
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