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「カヨ、寒くないか?
もうすぐ救急車来るからな。」
「…うん…大丈夫…」
車が行き交い出した
車道を走る車から
水しぶきが上がり
それを庇うように
カヨを腕で包んだ。
妊娠中って…
どんなんだ?
早く、早く、救急車ー!!
パニクってるオレの耳に
救急車のサイレンが
聞こえてきて。
ーーー良かった。
「カヨ!救急車だぞ!
もう少し、頑張れ!!」
「…うん…ごめんね…
お兄ちゃん…」
そうオレは気丈に
声を掛けて
妹は少し苦しそうに
それでも頷いてた。
この時。
妹はまだ意識もあったし
はっきり話せていた。
だから、大丈夫だと
心の何処かで安心してた…
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