第七章 ~ 妹の声 ~

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「カヨ、寒くないか? もうすぐ救急車来るからな。」 「…うん…大丈夫…」 車が行き交い出した 車道を走る車から 水しぶきが上がり それを庇うように カヨを腕で包んだ。 妊娠中って… どんなんだ? 早く、早く、救急車ー!! パニクってるオレの耳に 救急車のサイレンが 聞こえてきて。 ーーー良かった。 「カヨ!救急車だぞ! もう少し、頑張れ!!」 「…うん…ごめんね… お兄ちゃん…」 そうオレは気丈に 声を掛けて 妹は少し苦しそうに それでも頷いてた。 この時。 妹はまだ意識もあったし はっきり話せていた。 だから、大丈夫だと 心の何処かで安心してた… ・
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