第七章 ~ 妹の声 ~

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警察と救急車が到着して 事情聴取は後回しにしてもらい オレはカヨに付き添い 救急車に乗り込んだ。 そして… 掛かりつけの産婦人科への 搬送中に、それは起きた。 「この先の道で事故で 通行止めだそうです。」 救急隊員が緊迫した面持ちで そう口に出して。 「え?それじゃ…」 「妹さん、転んだ時の衝撃で 出血は少ないようですが… 切迫流産しかかってる 可能性があります。 早く止血剤と抗生剤を…」 ーーー切迫流産… お腹を押さえたまま 痛そうに顔を歪めるカヨ。 「それは…あの… カヨは…妹は昔…薬飲んで アレルギー出た事あって… それ以来、抗生剤とか鎮痛剤とかは… とにかく、病院に……」 ・
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