5959人が本棚に入れています
本棚に追加
/225ページ
「っ…武司!!」
カヨは藤堂総合病院の
処置室に運び込まれ
廊下の長椅子に座るオレに
駆け付けた両親が呼び掛ける。
「っ…カヨは?
バイクとぶつかったって…
あの子、大丈夫なの?
流産しかけてる、って…」
「…バイクとは直接
接触した訳じゃねーんだ。
バイクは避けてくれて…
でも、その拍子に転んで…
出血も酷くなかったみたいで
意識ははっきりしてたし…
とりあえず、今は処置して
もらってるから…」
動揺するお袋を宥めて
オレは小さく息を吐いた。
ーーーその時。
「田島さん!
田島カヨさんのご家族の方!!」
唐突に…
そう、呼ばれた。
・
最初のコメントを投稿しよう!