第七章 ~ 妹の声 ~

27/29

5959人が本棚に入れています
本棚に追加
/225ページ
茫然とするオレは ただ、立ち尽くしてた 点滴に繋がれたお袋に 親父が付き添って その傍らで泣き崩れる姿。 お袋は…生きてる 親父も… ーーーカヨは… オレはカヨの元に 無意識に足を運び… 処置室のベッドの上に 横たわる妹に 唇を噛み締めた。 そんなオレの元に バタバタと足音が近付き 処置室に飛び込んできたのは ーーーカヨの夫。 「っカヨ…!!…っっ」 仕事から駆け付けた カヨの夫・田島幸彦は 変わり果てた妻の姿に… 何も声を発する事が出来ない。 その動かない身体を ーーー抱き締めて… 愛する妻子を突然失い 泣き崩れた… 誰もが受け止められない ーーー嘘みたいな現実 ・
/225ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5959人が本棚に入れています
本棚に追加