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取り残された奴とオレ。
藤堂暁臣は叩かれた頬を
気にする様子もなく
無言で立ち去ろうとして。
「…なぁ。お前ってさ。
もしかして、女嫌い?」
オレと暁臣の初めての会話は
そのオレの一言だった。
咄嗟に問い掛けたオレは
何やってんだ、って
自分の発言に後悔したけど。
問い掛けた内容は
奴の言動から単純に感じた事で。
「まぁ、ストレス発散とか
性欲発散で身体だけの関係も
オレは十分、有りだと思うけど。
好きな女が出来て
付き合ってエッチすんのが
一番気持ちいいぜ?
今のお前見てたら
そういうのが抜けてんじゃね?」
立ち去ろうとした足を
意外にも止めた奴を
無意識に見つめて
オレは話し掛けていた。
「…俺には縁のない話だな。」
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