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8月も後半に入り
カヨの死から立ち上がれないまま
初盆が過ぎた頃…
実家の電話が鳴り響き
親父もお袋も
出る事はなく
オレが受話器を取った。
「…はい、橋口ーーー」
受話器に掛ける言葉よりも
先に耳に届いた
ーーー緊迫した声
オレの耳に入った報せに
受話器を取り落としそうになる
「…自殺…?幸彦君が…?」
幸彦…
『田島幸彦』
ーーーカヨの夫
その報せは…
その田島幸彦が
自ら命を絶ったのだと…
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