5959人が本棚に入れています
本棚に追加
/225ページ
暁臣は敷地の外の
人通りのない小道に
オレを引き摺り込み
投げるように手を離した。
「っお前に何が分かる!?
妹や赤ん坊の…幸彦君の…
オレ達の苦しみが…!!」
オレは暁臣を睨み
拳を握り締める。
「金で握り潰して…
権力で圧力かけて…
お前ら藤堂は人間じゃねぇ!!」
思いのままに叫ぶオレを
暁臣はただ無言で
真っ直ぐに見据えていて…
「…人が…死んでんのに…」
口から搾り出した言葉に
オレの目に涙が浮かんだ。
・
最初のコメントを投稿しよう!