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「卒業に向けて
忙しいかもしれないけど…
お兄ちゃんが空いてる日
今度、教えて?」
カヨは玄関で靴を履きながら
ウキウキとそう告げて。
「分かったよ。
空き時間、見とくから。」
オレは差し入れの煮物を
摘まみながら口を開いて。
カヨは「よろしく」と笑って
アパートから帰って行った。
前より、明るくなったな…。
明るくって言うか。
社会性、社交性が身に付いた。
彼氏のお陰か?
男で、女は変わる。
女で、男も変わる。
良い方向に変わるのは
応援してやりたい。
彼氏を本当に好きなのは
見てるだけで分かるし。
オレは兄として
出来る事をしてやろう。
そう思ってたのに
まさか、あんな事になるなんて…。
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