第三章 ~ 妹と友達 ~

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自分に不利になる事はしない。 あくまでも自分に 優位になるように 動くんだ、こいつは。 相手が裾を捲って 逃げ出すように… 歯向かう事がないように。 冷静に頭で考えて そう、仕向ける。 「お前が感情的になって ブチ切れる事って、あんの?」 オレは思わず 暁臣に問い掛けて。 「…ブチ切れる、を 感情の起伏で表すなら“怒り”だ。 常に、そうだとも言えるし 一度もない、とも言える。 さっきのガキンチョにも 特に苛立ちは感じない。」 そう答えた次の瞬間 暁臣のサラサラの黒髪が 風に靡いて揺れた。 ・
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