第四章 ~ 悪魔の傷痕 ~

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「…真っ暗な螺旋の中に 閉じ込められて…繰り返す… 廻り廻っても…行きたい場所も… 帰る場所すら分からない…」 低い声で呟いた 暁臣の言葉の意味を オレは理解できなくて。 「螺旋…?」 それだけ返したオレに 暁臣は少しの沈黙の後 大きく息を吐いた。 「…いや。 家出ばっか繰り返して そんな事してれば タチの悪い連中にも よく絡まれたりするだろ? で、刃物持ち出されて ザックリ、ヤられた。」 暁臣はアッケラカンとして 肩から走る傷痕を 右手で押さえた。 「…大丈夫だったのか?」 「結構、血は出てたな。 止血もせずに徘徊してたら 血、流し過ぎて 最後は朦朧としてたし。」 「止血しろよ。」 オレが思わず突っ込むと 暁臣はフッと笑って… ・
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