第五章 ~ 悪魔の優しさ ~

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暁臣の内情を総て 理解した訳じゃねーんだけど。 それでも暁臣の中核に在る 『初恋の君』は揺るぎない。 だから、積極的に 他の女を勧める気にもならず… かと言って、カヨの想いを 無碍にも出来ないし 勝手に想いを伝える訳にもいかない オレは仕事用のスーツ姿で アパートに訪れたカヨに ネクタイを外しながら 小さく溜息を吐いて。 「…まぁ、覚悟できてるなら オレは別に止めやしねーけど。」 オレの言葉に カヨは顔を顰めて。 「フラれる覚悟って事…? お兄ちゃんって、やっぱ 少し無神経…って言うか 女心、分かってない。」 ・
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