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とある一軒の家の前、三人で見上げてた。
最初に口を開いたのは父だ
「どうだい、今度の家は!」
自慢げに言う父に一樹が
「こんな広い家…………父さん無理したんじゃないの?」
心配げに訪ねる一樹に父は一笑して
「なーに心配要らないさ、龍に手伝って貰ったしな!」
と、笑っている。
俺は手伝ったつもりは無いんだが、一応俺の貯金通帳を確かめてみる。
残金が残り少なくなってる
「…………一言欲しかったな…………」
俺の言葉に笑いが無くなる父。
「あ…………龍?………父さんは僕の為に急いだから…………だから………」
一樹が父を庇う様に言い訳をする
「別に怒ってる訳じゃないよ…………又貯めればいいし…………その代わり続きになってる一軒、俺が貰って良いよね」
「ん?あ…………あぁ、勿論だとも」
父は後ろめたさもあるのか、俺の申し出を快く承諾してくれた。
これで、俺は人と関わる煩わしさもなく小説に打ち込める。
そう思いながら家に入ろうと門を開けた時、一台のタクシーが家の前に止まった。
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