第一章 新たる街

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とある一軒の家の前、三人で見上げてた。 最初に口を開いたのは父だ 「どうだい、今度の家は!」 自慢げに言う父に一樹が 「こんな広い家…………父さん無理したんじゃないの?」 心配げに訪ねる一樹に父は一笑して 「なーに心配要らないさ、龍に手伝って貰ったしな!」 と、笑っている。 俺は手伝ったつもりは無いんだが、一応俺の貯金通帳を確かめてみる。 残金が残り少なくなってる 「…………一言欲しかったな…………」 俺の言葉に笑いが無くなる父。 「あ…………龍?………父さんは僕の為に急いだから…………だから………」 一樹が父を庇う様に言い訳をする 「別に怒ってる訳じゃないよ…………又貯めればいいし…………その代わり続きになってる一軒、俺が貰って良いよね」 「ん?あ…………あぁ、勿論だとも」 父は後ろめたさもあるのか、俺の申し出を快く承諾してくれた。 これで、俺は人と関わる煩わしさもなく小説に打ち込める。 そう思いながら家に入ろうと門を開けた時、一台のタクシーが家の前に止まった。image=485305095.jpg
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