pink heart

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シェアハウスの同居人でもある白砂花(しらさごはな)の働くカフェ、「CHOCOTTO(チョコット)」の並ぶ通り沿いを歩いて行くと、比較的新しい団地の並ぶ住宅地に出る。 住宅地の入り口からそのずっと奥に広がる川原まで、街道を濃紅のサルスベリが彩っている。 広めの道路の両脇に等間隔に植えられたサルスベリは、海草のようにわしゃわしゃっとした不思議な形の花を付け、空に向かって枝を伸ばしている。   空の色に映える鮮やかなピンク。   この団地を抜けて、川原に出る1つ手前の道を右に曲がったら、奇抜な蛍光ピンクの壁の3階建てのマンションがある。   そこが愛すべき私のダーリン、桃井竜平(ももいたっぺい)くんの住むマンションだ。   夏の日差しを浴び、汗を流しながら「幸せの道」を歩いている所で竜ちゃんからメールが入った。 (ごめん、ちょっとバイトが伸びそう)   (OK) 返信した所で、さてどうしようか?と立ち止まった。     毎週土曜日の夜は1人暮らしをする竜ちゃんの家にお泊りが私たちの日課になっていた。 平日夜勤のバイトを始めた私は、大学生の竜ちゃんとはすれ違う時間が多くなった。 なので、週末は2人の時間を大事にしようと竜ちゃんが提案してくれたのだ。
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