pink heart

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最近はシェアハウスのオーナーである檜山紅虎(ひやまべにとら)こと、虎ちゃんのお兄さんのホームウェディングをしたり、花のお兄さんであるルームメイトの葵(あおい)ちゃんがオーストラリアに留学したり、パーティーや飲み会で忙しかったから、2人でまったりする時間がなかった。 シェアメイトは私にとって家族みたいな大切な人たちで、みんなと過ごす時間は大好きなので、みんなが竜ちゃんを歓迎して一緒に楽しんでくれることは嬉しいけれど、やっぱり好きな人と2人きりの時間は大切にしたい。   今日は久しぶりに、竜ちゃんの家にお泊りする日だった。   竜ちゃんの好きなものを作ってあげて、一緒に映画を見てと、夜のプランを練りながら、「CHOCCOTO」でお茶をしていた。 花のバイト先のカフェは、白塗りの壁にテラス席のある一軒家風の店で、赤と白のギンガムチェックのランチョンマットや出窓に並ぶブリキの缶に入った観葉植物。 壁に掛かった手作りパッチワーク、かわいい物が溢れた店内はまるでドールハウスのようだった。 乙女チックなかわいいが溢れる店内は温かみのあるカントリー調の家具で統一されていて、どこか外国の田舎の家に来たようで居心地が良く、気付けば常連客になっていた。 夏休みは帰郷もせずにバイトに明け暮れている竜ちゃんは、休日はイベント警備のバイトを入れていた。 今日は夕方に終わるとのことなので、花の働くカフェで遅めのランチを取り、オーナーであるカヲルさんとカウンター越しに会話を楽しむ。   繁忙時を過ぎた店内はまったりと午後のお茶を楽しむ女性客が多く、花は接客に忙しなく店内を行き来していた。 「今日は桃井くんの家にお泊り?楽しんできてね!」
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