1.それなりに廻る世界

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「くだらないことから逃げているのかも」 勉強、対人関係、日常事態から。生きているって一体どういうことなのか。私にはイマイチ分からない。 「じゃあ俺もそれで」 「…え?」 これではまるで不公平だと彼を睨め付けたが、彼はまたもや笑った。自嘲するかのように。 「間違ってない。俺も君と同じ」 からかうような要素は一切無い。少し考えて、私は頷いた。 「それなら私たち、似た者同士だったのね」 「さあ、どうだかね」 歩み寄って来たかと思えば、次の瞬間には突き放すようなことを言う。 景色を再び眺望する彼に私は正直な感想を述べた。 「よく分からない人ね」 「そうかな。でも褒め言葉として受け取っておくよ」 「全然褒めてないよ」 「ははっ」
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