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「くだらないことから逃げているのかも」
勉強、対人関係、日常事態から。生きているって一体どういうことなのか。私にはイマイチ分からない。
「じゃあ俺もそれで」
「…え?」
これではまるで不公平だと彼を睨め付けたが、彼はまたもや笑った。自嘲するかのように。
「間違ってない。俺も君と同じ」
からかうような要素は一切無い。少し考えて、私は頷いた。
「それなら私たち、似た者同士だったのね」
「さあ、どうだかね」
歩み寄って来たかと思えば、次の瞬間には突き放すようなことを言う。
景色を再び眺望する彼に私は正直な感想を述べた。
「よく分からない人ね」
「そうかな。でも褒め言葉として受け取っておくよ」
「全然褒めてないよ」
「ははっ」
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