1.それなりに廻る世界
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空っぽだ。彼の笑顔は中身がない。それを確認する度に胸が苦しくなった。まるで今の自分のようで、他人事とは思えなかった。 「あのさ」 彼は急に改まり、私に歩み寄ってきた。 「名前教えて」 「…なぜ?」 「そんなの、」 彼は言葉を切り、空を見上げた。軽い咳を一つして、また私を見る。 私は確かに見た。その時だけいつもの生気のない瞳が色づいていたのだ。 「名前も知らない君に、恋をしたからだ」
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