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一方、そのソランがいる病室では、外出を終えたエルドとルティエがいた。
「リアレーオに入った時は、お蔭で助かりました」
フェンデリックがすぐ後ろに控え、ソランはエルドの言葉にそうかそうか、と笑って照れている様であった。
「俺達の方こそ礼を言わなきゃな。本当は軍がやんなきゃいけないことだったんだが、お蔭で救われた」
エルドとルティエが選んで買った、差し入れの果物を眺めつつ、ソランが言う。
そしてその視線が、心配そうに怪我を見るルティエに向けられる。
「ハルー人に精霊か……。陛下に話したんだってな。どうだった?」
「途中で憲兵団のグンデスさんが乱入して来て、うやむやのまま終わっちゃいました」
ルティエが答える。
「グンデスめ……。アイツが賢い事は認めてやる。知ってると思うが、俺達軍と憲兵団は昔から仲が悪くてな。どうしてこうなっちまったのか……」
「それは……」
「お前さん達に愚痴っても仕方ないか。お見舞いありがとうな」
ソランのその言葉の終わりに、部屋のドアを誰かがノックする。
「入って大丈夫だ」
ソランが返事をすれば、フェンデリックの後ろのドアが開き、二人の軍の男がこちらを覗いていた。
「ういっすソランさん。っと、お客さんがいましたか」
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