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エルドとルティエを交互に見ながら、短い金髪の軍人が言う。
「……重い話か?」
ソランが何かを察したのか、二人の軍人に訊く。
「……とても」
「分かった。エルド君、悪いが席を外してくれ」
急に仕事の顔に戻り、エルドは張り詰めたソランの顔を見て、はいと返事をするしかなかった。
「行こうルティエ」
「うん。お大事に」
「おう。また見舞いに来てくれよ」
手を振り、ソランが答える。
「まったく若い娘なんて部屋に入れて。嫁さんにどつかれますよ」
「勘弁してくれ」
「お花どうぞ」
二人とソランの会話。
そして思い出したかの様にその視線を、軍人であり息子である、フェンデリックに向けた。
「フェンデリック。お前もだ」
「父上。自分は同じ軍人であります。話しを聴くくらいは……」
「駄目だ。エルド君達と一緒に行け」
フェンデリックは何か言いたげに、唇をきつく噛み締めていた。
二人の軍人は、どうしたものかと頭をかきつつ、顔を見合わせていた。
「命令だ」
「……分かりました」
フェンデリックは顔を上げてソランを、睨んでいるともとれる眼差しで、しかし見つめて納得していた。
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