19 ~賢者を求めて~

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 一礼をして、部屋の外へと出たフェンデリックを、エルドとルティエが待っていた。 「きっとこれから行われる審問の事だとは思う……」 「責任があるんだよね……?」  ルティエが訊く。 「そうだな。国王陛下を守れなかった事に対しての、非難なんだろう」 「悪いのは教団なのに……。ひどいです」 「君が気にする事はない」    フェンデリックはそう言うと、ふぅ、と軽く息をはいた。 「父上は俺が軍で活躍しても褒めてはくれるが、決して認めてはくれない……」 「俺からして見れば世間で有名な親って言うのは憧れもするけど、プレッシャーが大きいよ」  エルドなりに何とか気を使って出した言葉だが、案の定フェンデリックの表情は硬いままであった。 「これから君達はどうするつもりだ?」  フェンデリックが唐突に尋ねて来れば、エルドはすぐに答えていた。 「ベリントンに向かいます。精霊学の学者に会いにと、教団の事を調べる為に」 「ベリントンにか? 君達が直接向かうのか?」 「ああ。今までだってそうだったから、今更どうってことはないさ」 エルドはそう言い、携帯電話で今の時間を確認した。 夕方、皆と部屋で集合する約束の時間だ。
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