これまでのあらすじ

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 豊かな自然と発展した文明の中で人々が暮らす惑星セウィド。  そんな世界の中では、ホマル人とハルー人と言う二つの人種が存在していた。 その内、魔術が使えるハルー人は、人口の割合が元々多かったホマル人による迫害を受け、その数を減らしていた。  そんなハルー人を救い、無益な争いからセウィドに平和をもたらした組織シス教団。 彼らを人々は戦争終結の救世主として称え、敬い、そして教団の力は大きく増す事となった。 ____新生暦550年。 ホマル人とハルー人との戦争が終結してから550年の歳月が流れた現在。 今でもハルー人に対するホマル人の差別的感情は根強く、ハルー人は皆教団で保護されているのが当然の事となっていた。  そんな中、ある日一人のハルー人の少女が、教団から逃げ出した。 名はルティエ・カーネイス。 ハルー人の特権である筈の魔術が使えない少女であった。  そんな少女が教団に追われ、行倒れた末で出会ったのは、ホマル人の青年、エルド・ウェンリルであった。 教団の襲撃から逃げつつ、シャーノ・ヘクターと名乗る謎の男を加え、ルティエの話を聴くエルド。 「教団はハルー人を道具として利用している。それを止める為に、世界にその事を伝える為に、逃げて来た」  ルティエの口から出た言葉は、今の世界の理を崩す程のものであった。
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