19 ~賢者を求めて~

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「エドワード伍長が……」  フェンデリックの声の抑揚が失せ、残念そうに顔を背ける。 エルドとルティエは、顔を見合わせていたが、思わしくない内容であるのは分かる。 「エルド君。ルティエ嬢ちゃん。ここから先は軍に任せてほしい。死人が出た以上、深追いは危険だ」 「いや、身の危険を承知の上でここまで来たんです。今更引けません」 「いいか、これは遊びじゃない。スイフスブルクでの行動は確かに感謝するが、これ以上は止めた方がいい」  ソランはまるで、子供を宥める様にエルドに言い聞かせて来た。 ルティエが何か言いたげに身を前に出して来たが、エルドがその前に出た。 「俺達が今までやって来た事は決して遊びなんかじゃありません!」 「私だって、命を懸けているつもりです! 何も分からない様な人なんかに言われたくありません!」  ルティエまでなりふり構わず叫び、エルドを含めたこの場にいた全員が、拍子抜けした様な様子であった。 「えっ……私なにを言って……?」 「お嬢ちゃん……」  軍人……大人たちがルティエを圧迫するかの如く、見下ろしている。 そんな大人たちの都合で、親の代以上から続くその理不尽を、ルティエや自分達が受けるのを、もう何度も目の当たりにしている。
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