Vol.15 血と涙と心の刃

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帰宅するまでの約10分間はお互い無言だった。

繭李の反応を伺いビクビクする俺を尻目に、繭李はただぼーっと窓の外を見つめている。

家に着き車を停めると、繭李は真っ先に玄関へと向かって行く。

俺はあの家に入りたくなかった。

家に入ってしまえば、俺はきっと繭李のお咎めを受けなければならないから・・・。

「さっきの、誰？」

車を駐車スペースに停め家の玄関に入ってきた俺に詰問する繭李。

その表情はファミレスにいた時とは真逆。

抑えきれない嫉妬心が、彼女の顔を鬼のような形相に変えていた。