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車に乗り、再び市街地方面に向かって車を走らせていく。
唐揚げを頬張りながら運転する俺に、時折凜子は助手席から手を伸ばして唐揚げを口に入れてくれる。
面倒見のいい所も昔と全く変わっていない。
「これ、最後の1個ね。」
爪楊枝に刺さった唐揚げが口元へと近付いてくる。
しかし刺し方が甘かったのだろう。
車の振動によって凜子の手が俺の頬に当たり、その拍子に唐揚げから爪楊枝が抜けて俺の太腿の上へと落っこちたのだ。
「あっ!!」
慌ててそれを拾い上げる凜子。
残念そうに転げ落ちた唐揚げを見つめる凜子を慰めるかのように、俺は大きく口を開け彼女に指示を出した。
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