命語り

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そこで、九十三歳にして知識人の祖母にそのことを話すと、 「それは、夢語りってやつだね」 シワの刻まれた顔を尚もしわくちゃにして豪快に笑った。 「それ、何?」 興味津々の歩が祖母に詰め寄ると、彼女はにいっと笑い、「まあ、座りんさい」と歩を制した。 「夢語りって言うのはね、文字の通り、歩に何かを訴えかけているんさ」 虚喝するかのように彼女は凄んだ。
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