命語り

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それからまた二日後に夢を見た。 男は相も変わらずこちらに手を伸ばしてきているが、歩はまたもや掴むことが出来なかった。 夢が来る日も来る日も掴めずにいた。が、二十回目にしてようやく歩は男の手を掴み、引いた。 『なんで助けるんだ!』 「え…」 男は親切な歩の腕を払い退け、漆黒の水に吸い込まれていく。 「あなたは誰?なんで助け求めてるの?」 男を喰らう黒水の上に自分は平気で立てるのに、彼は立つことさえままならない。 だから助けを求めているのではないのか?助けてやったというのに。
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