4人が本棚に入れています
本棚に追加
それからまた二日後に夢を見た。
男は相も変わらずこちらに手を伸ばしてきているが、歩はまたもや掴むことが出来なかった。
夢が来る日も来る日も掴めずにいた。が、二十回目にしてようやく歩は男の手を掴み、引いた。
『なんで助けるんだ!』
「え…」
男は親切な歩の腕を払い退け、漆黒の水に吸い込まれていく。
「あなたは誰?なんで助け求めてるの?」
男を喰らう黒水の上に自分は平気で立てるのに、彼は立つことさえままならない。
だから助けを求めているのではないのか?助けてやったというのに。
最初のコメントを投稿しよう!