命語り
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『俺は十三郎ってモンだ。勘違いすんな小娘。お前さんに助けてもらう筋合いなんかねぇ』 大口を叩く割りに、彼の体は見る見るうちに沈んでいく。 歩はぎゅっと拳を握った。 「それならもう私の夢に出ないで頂戴!」 『ああ、消えてやるよ』 丁度顎から下は全部沈んだ頃、十三郎と名乗った男は、 『役目を果たしたらな』 そう言って、無造作な髪の毛の最後の一本まで沈んでいった。
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