落花流水

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「馬鹿よ」 涙が止まらない。本当に馬鹿なのは私だ。あなたを失うのが怖くて、気が狂いそうだった。 そのことに今、ようやく気付いた。ただ、それだけなのに。 彼は愛おしそうに私の手を握る。確かな強さを彼の手に触れたとき感じた。不意に笑みがこぼれた。 「…好き」 泣くことも、笑うことも、思い出させてくれたのは全部あなた。 永遠なんて分からないけど、あなたの隣で、もう少しだけ生きたくなった。
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