バベルの塔と街 #3

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バベルの塔と街 #3

「本当に良いの?腕が上がらないならさ、返り血とか流せないかもしれないよ?ついでだから流してあげるのに」 曇りガラスのパーテーションの向こう。 肌色の人影とバスタオルが艶かしく動く。 思わずその姿に見惚れて、返事をするのも忘れてしまう。 「あれ?真治君?いる?」 ひょいと顔を出した奈央さんと目が合い、ドキッとして慌てて目を逸らした。 濡れた髪が……なんともエロい雰囲気を醸し出している。 「あー……そういう事。何考えてるんだか。そんな意味で言ったわけじゃないんだけどね」 なんだか……心を見透かされたみたいで恥ずかしくなった。 だって仕方ないじゃないか。 こんな場所で、シャワーを浴びている女の人に一緒に入る?なんて言われたらさ。 誰だって勘違いするし、下手すりゃ襲いかねないだろ。 「な、何でこんな所に入ったんですか……何か意味があっての事ですよね?」 スケベ心を見抜かれて、少しでも話を逸らそうと、俺は奈央さんに尋ねた。 戦闘終了時間が迫って、引き返す東軍の人達から身を隠す為だという事は分かる。 だったら、何もこんな場所じゃなくても良いはずだろ?
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