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「……」
ドスン、ドン、と中から弱々しくぶつかるような音と揺れは収まらない。
……ビニールに詰めて転がしたから、開けられないのか?
あり得ねえ考えを捨てようにも捨てきれないオレは、部屋の奥で揺れる襖を凝視する。
――カリ
カリ、ガリガリガリ
とうとう拠り所が一つ突破されたらしいことがわかった。
ビニールが破れたらしい。
蒸し暑い部屋なのに、頬が冷たい。
動こうにも動けないオレの目の前で、襖を引っ掻く音が大きく、激しくなって――
ぐううっと迫り出してきた襖が畳に倒れて、いやにぬるい風がオレに吹き付けてきた。
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