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「悪いかよっ!」
僕は反論もせず、ごしごし目をこする。
大きな溜息。
「純ちゃんさぁ、泣くぐらいなら年上の美人に恋なんてすんな」
非の打ち所のない涼しい顔しやがって。
「おまえなんかに分かるかよ!」
頭がよくて器用なプレイボーイ。
常に恋の勝者であるこいつに、僕の情けなさなど分かるまい。
「分かってますよ」
グラスの氷をからから言わせながら
「あのおねえさん、誰かの愛人でしょう?」
芦屋は何事もないように言った。
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