第十章 不安定

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「…………どうしよう」 3号館。 一階の共同スペースのソファーで、亜矢が両手で顔を覆いうな垂れていた。 「……」 佳奈美がその隣に座り、亜矢の事を見つめる。 「どうしよう……もしこれで皆に何かあったら、それって私のせいだよね」 「……だから、別に誰もそんな事思ってねぇよ」 遼平が渋い顔で亜矢の発言を否定する。 「もういいからさ。早く顔上げろよ、杉並」 「…………………………」 「杉並っ」 夕方、3号館に戻ってきてから亜矢はずっとこの調子だった。
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