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「…ん?」
あれ…?
なんかバスのスピード、段々上がってない?
なんかアクセルとブレーキ、踏み間違えてない!?
「ちょっ…!フミアキぃ!?」
「未来!暁先生がオマエをバスに乗せないつもりだぞ!」
「ええぇ!?なにそれ!?」
衝撃的事実だ。
まさかちょっと遅れた…いや、多少…いや、かなり遅れてきた愛する生徒がそこにいるというのに見捨てるなんて…!
鬼としか言いようがない!
「くそ!なにか方法は…!」
ふと、バスが左方向に曲がる合図を出した。
…これだ!!
「フミアキ!そのまま窓を開けといて!」
「はぁ!?なにすんだよ!?」
ボクが走っているのは、ボクから見て歩道の左側だ。
それと一緒にバスも左側を走行している。
普通だったら車は曲がる時に速度を緩める。
なら、ここしかない!
「うおぉ!!」
「まさか、オマエ…!!」
ボクは持てる力全部を出して全速力で走った。
そして、バスが予定通り減速しながら左方向に曲がる。
「『ボクは…死にましえぇーん!!』」
ボクは思い切り踏ん張って、フミアキが開けてくれた窓に向かって飛び付いた。
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