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次の日の朝、
台所に立つ俺はトースターから取り出したパンにバターを敷く。
「ユウちゃん、
なんで顔にシール貼ってるの?」
テーブルの椅子にちょこんと座った、
妹の友里(ゆり)が質問する。
“ユウちゃん”とは俺の事で、
友里にとっては兄ちゃんではなくこう呼ぶ方が好きらしい。
「え?あぁ、これはばんそうこう。
怪我した所に貼っておくと早く治るんだよ。」
そう話しながら友里の手前に置いた小さな皿にパンを乗っけてあげ、
自分も席に座る。
「ユウちゃん怪我したの?」
「うん、けど心配しなくていいよ、
お兄ちゃんぶつけただけだからさ!」
「いただきまぁす!」
…聞いていないようだ。
とりあえず朝飯を食い終ってからはアパートを出て、
友里を保育園に送っていく。
これが済んでから中学校に向かうのが、
いつもの流れだ。
「先生に迷惑かけちゃダメだぞ?」
とか言いながら友里を預ける。
俺の顔はニヤケ顔だ。
ここの保育園の先生は美人揃いでテンションが上がる。
「アハハ!友里ちゃんはいつも、
いい子にしてるもんねぇ?」
「うん!」
友里を抱き上げ、
笑顔で頬をすり寄せる。
なんて、羨ましいんだ…!
「じゃあ、行ってきます!」
「ユウちゃんバイバイ!!」
「おう!」
「行ってらっしゃい!」
「エヘヘ、はい!!」
これで俺は、
今日1日張り切れそうだ…!!
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