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健太は床に倒れ、打たれた方の頬を押さえながら、大声で泣き出した。
部屋に居る孤児達は、遊ぶ手を止め、一斉に健太に視線を送る。
「泣くんじゃない!うるさいのよ!」
洋子は倒れている健太の腹を、物に八つ当たりするように、蹴飛ばした。
「うぅ!」
健太は腹を抱え、その小さな体を丸める。
「泣くんじゃない!泣くんじゃない!約束破ったあんたが悪いんでしょ!」
洋子は丸まる健太を、容赦無く蹴り付ける。
我を忘れ蹴り続ける洋子は、急に蹴るのを止めた。
洋子の視線の先には、小刻みに震える健太の体がある。
しかしそれは震えではなく、痙攣している様子だ。
健太は気を失っている。
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