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気絶している健太に気付いた洋子は動揺した。
今までも孤児達を鬱憤を晴らす道具として、殴る蹴るなどしていたが、気を失う事は今まで一度もなかったのだ。
「…健太君?」
洋子は健太のその小さい体を揺さぶった。
数分程揺さぶり続けると、健太の口から小さいながらも声が漏れた。
「…うぅ」
洋子は健太の声を聞き、安堵する。
もしこのまま健太が気絶したままなら、救急車を呼ばなければならなかっただろう。
それは即、虐待がばれるという事だ。
洋子が嘘を付いたとしても、至る所にある体の痣を見られれば、そんな嘘は直ぐにばれてしまうだろう。
そうすれば洋子は職を失うどころか、警察に捕まってしまう。
洋子は健太が目覚めた事にほっとして、溜め息を付く。
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