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義樹は赤ん坊を着ていたコートでくるみ、病院へと走った。
早くしなくては赤ん坊は死んでしまうだろう。
赤ん坊の唇は紫色に染まっている。
義樹は無我夢中で走った。
そして病院に着いた義樹は叫んだ。
「助けてくれ!!赤ん坊が震えている!!」
叫び声を聞いた病院関係者が赤ん坊を義樹から奪い取ると、赤ん坊を連れてオペ室へと入って行く。
オペ中と書かれているランプが赤く光った。
義樹はオペ室の近くの椅子に腰掛け、両手をくんで、祈りを捧げるような仕草をしたまま動かずに居る。
1時間程して、祈りを捧げる義樹の目の前の赤いランプがふっと消えた。
そしてオペ室から出てきた医師が義樹に向かい囁いた。
「赤ちゃんはもう大丈夫ですよ」
義樹はその言葉を聞き、大粒の涙を流した。
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