40人が本棚に入れています
本棚に追加
/238ページ
OP/序章
犬や猫、馬、猿、熊、猪――
人間で言う<陸上に住まう動物>の特徴をもった人種を<獣人>と呼び。
鷲や鷹、梟、雀、鶯、鴉――
人間で言う<羽毛が生えた動物>の特徴をもった人種を<鳥人>と呼び。
鮫や金魚、ピラニア、イルカ――
人で言う<水中に住まう動物>の特徴をもった人種を<海人>と呼ぶ。
――未だ多くの謎に包まれている先住人――
人間と余り変わらぬ姿で生活を営みながら、
死ねば人型の姿を保もてず……。
自然の摂理に従って生きる獣や鳥達の姿へと戻り、大地へと還る。
約三百年前までは人口の八割を占め、国を築き、文化を育んでいた者達。
それは世界と呼ぶには余りにも狭く、
国と呼ぶには余りにも広すぎる大陸。
――ドラグツイン――
でも、いつからなんて詳しい事は知らねぇ。
何が原因で戦争にまで発展したのかあやふやなまま、幾つもの国が消え。今では、「遠い西の海に、海人の首都があるらしい」という噂程度となった。
しかも人間達が住まう国や街で騒ぎを起こす獣人や鳥人の殆どが、元人間の奴隷。
田舎町から出て来た奴にとって珍しい光景かもしねぇが、都会では日常茶飯事だ。
それ故に、
火種は消える事なく今も続いている。
大陸の三分の二を人間が支配しているにも関わらず、犠牲を払い続けながら……。
【OP/序章・終】
最初のコメントを投稿しよう!