46人が本棚に入れています
本棚に追加
/177ページ
蓮は力任せに沖田を弾き飛ばすと、平突きの構えをして追撃していく。
が、それも受け止められた。
二人はそのまま鍔迫り合いになる。
「強くなりましたね、立花さん」
「沖田もなっ!」
押し合う二人に平隊士たちは見入っていた。
お互いは全く譲ることなく切り結んだ。
そして弾かれたように距離を取る。
と、沖田の構えが変わった。
独特な中段の構え。
三段突きがくる。そう察知した蓮は大きく距離を取ると居合いの構えをする。
ータン
軽く踏み込む音が一度。
同時に三連続の突きが蓮を襲った。
蓮は冷静に突きをかわしていく。
そして木刀を一閃して沖田の木刀を弾き飛ばし、そのまま首筋に当てる。
「ハハッ。やっぱり適いませんね」
「すげー、立花先生。沖田組長を倒すなんて」
「もしかしたら斎藤組長よりも強いかもな」
沖田は蓮を見る。蓮は木刀を離した。
「沖田組長、ありがとうございました」
「うん、また手合わせしてくれる?」
蓮は頷くと隊士に言った。
「稽古を再開しろ!ぐずぐずするな!」
こうして稽古が再開され、蓮は道場を後にした。
このあと蓮が土方にこっぴどく叱られたのは言うまでもない。
最初のコメントを投稿しよう!