第1章

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血よ、血よ 私を少年を思い出させておくれ 走り回って転んだときのあの痛みを 歯が取れた喜びと違和感を 太陽に手をかざして見た網の目を 血よ、血よ 私に恋を思い出させておくれ 可愛らしいあの子の血色を 恥ずかしさに染まった彼女の頬を 最後に見た彼女の目の赤さを 血よ、血よ 私たちにあの過ちを、 二度と繰り返してはいけない悲劇を 教えておくれ 敵の鬼のような顔の赤さを お前を焼き尽くす炎を 流す必要のなかった、友の、敵の、見知らぬ人の命を 血よ、血よ、血よ
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