プロローグ

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そういえば、明日だったな。 園田祐太は、絶え間なく通り過ぎる車の群れを見て思った。 さした傘には大粒の雨がのしかかり、少し前をタイヤがよぎる度、ズボンの裾に泥水がかかる。 思わず、昔のことが頭に浮かんでくる。だが、過ぎたことを考えたところで仕様がない。 この豪雨が更に気分を悪くさせているようだ。 今日は今朝からこんな調子で、全くやむ気配がない。 時計を見ると、既に夜の10時を回っていた。 ……そろそろ帰ろうかな。 祐太は青になった信号を確認し、少し大股で横断歩道を渡っていった。
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