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銀光煌めく宵の折、仄かに浮かび上がる輪郭が闇に縁取られる。
天蓋からの絹布に覆われ、朧気ながらも映し出される常世の営み。
リネンのシーツを掴む華奢な指先がぴくっと跳ねた。
強ばる身体に覆い被さる金色の獣は妖艶な笑みを湛え、横たわる丸みを帯びた少女の肢体を貪る。
秋色を凝縮させたような鮮やかな栗の髪が波打つ。
訴えるように見開かれる燃えるようなワインレッドの双眸は快楽に溺れ、うっすらしずくを抱えている。
白い素肌の豊かな曲線上を生暖かいものが這う。
大窓から射し込む月明かりに晒され、明るみにされる金の髪は、まるで宝珠の輝きのよう。
逞しくも細身の体つきは一切の無駄な肉はなく、芸術品のような精巧ささえ思わせる。
「ティルア……」
心の鎖をいとも容易く溶かしてしまうそうな美声が形のよい唇から発せられると、少女は涙に濡れた睫毛をそろそろと持ち上げ、とろんとした目付きで彼を見上げた。
独特な藍の瞳――インディゴブルーの眼差しを熱くさせる彼の熱視線を真っ向から浴びたティルアは小さな声を漏らし、恥じらいに顔を染める。
「アスティス……」
ぷっくりとした愛らしい唇から彼の名が発せられると、彼――アスティスは満足したように微笑み、濡れ細り、したたる蜜を指で掬った。
ティルアの嬌声に応じるように、アスティスはゆっくりと押し進み、柔らかな蕾を開かせていく。
ねっとりと絡み付く熱さをとかすように動きを速める。幾つも上がる喘ぎはあまりにも扇情的だった。
アスティスの手がシーツを掴むティルアの手に重なる。
甘く蕩けるような笑みとキスが降り注ぎ、固くなった緊張がほどけていくティルアはそっとその手を握り返した。
それを合図に狭い愛壁に衝動が突き刺さる。待ち人を受け入れるかのように素直に開かれた箇所から愛液が滴り落ちる。
甘美なる熱に、ティルアは身体をぶるりと震わせた。
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