迷い姫

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あれはまだ、夏の暑いころだった。 美加が拾われて、安土城に運ばれて幾日経ったことだろうか。 美加はうっすらと目を開けようとしていた。 「いたたたた・・・。」 板張りの上で薄い布団に寝かされていた。 ゆっくりと目を開けると、 おとなしそうな女性がきちんとした着物を着て、 美加の布団の横に正座でいた。 美加にはいったい何が起こり、 どうしてこの見知らぬ女性が隣にいるのかすらわからなかった。
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