さかずきを賜る姫
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「姫!」 蘭丸の声が飛んだ。信長公の盃がからだった。 「申し訳ありません。」 トクトクーーーとお酒の音がする。 「飲んでみるか?」 信長公が美加を見ている。 顔が真っ赤になっていくのがわかる。 “恥ずかしい、見ないでほしい…心臓の音が聞こえてしまう。" 皆が美加が「はい」と返事して盃を受けるのを待っている。 そうするのがこの場の正答。 でも声が出ない。
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