さかずきを賜る姫

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蘭丸は無表情のまま 秀吉に頭をさげた。 そのあと信長公が席を立ったため、蘭丸もさがり、 それに伴い美加も 自室へと下がった。 酒宴であまりに緊張したために美加がほっと自室で座り込むと すぐに蘭丸が訪れた。 「美加姫、今宵は・・・。」 蘭丸に言われる前に、 「蘭丸様、緊張のあまり、盃を受ける声も出ず、本当に申し訳ありません。 また、森家にご迷惑をおかけしたことをーーー」 蘭丸に謝りをいれようとすると、 「ーーーそれよりも、秀吉様へのあの態度。 秀吉様はお館様の重臣。 そのような方にーーー 良いですか、姫。 何をいわれようとも、腹が立とうとも、態度にだしてはなりませぬ。」 と強く言われた。
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