さかずきを賜る姫

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さくらは、ひとしきりすすり泣いた後、 「私は貧しい武士の娘です。 この安土に奉公にあがるとき、まだ十二でしたが、兄上が言うのです。 愛想良くして、お館様とまではいかないが、 どこかそれなりの武士のお手つきになれば、 我が家は貧乏から救われると。」 ーーーお手つき つまり、それなりの身分の武士に抱かれてしまえばとーーー
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